あ、これって恋なのかも

とあるワインパーティーに誘われた。なんというブルジョワ、グルメマシーン。
パーティー当日、ここはお洒落しないとな。丸テーブルで相席になったマダムのクススとした笑い声でスープが波立つといけないからね。
ということで選んだ衣装。
いつものジーンズ
いつものシューズ(スニーカー)
いつものスウェット
いつものインナー

誘ってきたのが普通のおっさんだったためか、それともお洒落に疎い俺様のせいなのか、ただ単に金が無かったためか、いつもと変わらず相変わらずの格好で参上です(背筋は伸びている)

地元のホテルで開催されたのですが、まぁ田舎のホテルだから大丈夫だろうと高をくくっていたら、それは間違いだったようだ。

なんだ、この集団は!
結婚式でもやるのかい?的な着飾った面々。会場に着くなり、何に対してそうなのかまったく見当がつかない敗北感。28歳にしてこの敗北感はキツい。軽く開き直りつつ会費の8000円を払う。高ぇ。

とりあえず、丸テーブルに着席。(恰好が)マダム率が高いなぁ。どこを見ても着物・スーツ。
一応コースメニューなので、前菜とかそういう順番で飲むワインも変わりますよ的な流れ。始まって2分で近所の大衆居酒屋に逃げ込みたくなった。落ちつかねぇ。

だけど、前菜で出たスパークリングワイン。

これが、ありえないくらいうまかった。さっぱりと口に広がるフルーツの酸味に重なってきめ細かな泡が口の中に広がる。なんだ!このきめ細かい泡は。
例えるならば、コーラの泡を10等分したような細かさ。濃厚なフルーツの香りが広がるのだが、後味はすっきりさっぱり。パイパンのような味わい。

サンマのムニエルっぽいのを食べている時に出た白ワイン。これもうまい。ちょいと辛口ながらも、料理に使われているクリームソースと合わさることによって辛みは消え、爽やかな味わいを広げ、口の中をリセットしてくれる。うまい。

牛肉を12時間じっくり炒めた物を食べている時の赤ワイン。これは普通だった。

とまぁ、ワインが大変美味しかったということでした。うまかったよ。うん。

何が言いたいかというと、実はワイン云々じゃなくて、ワインを楽しんでいる時の丸テーブルでの他のマダムとのやりとりが面白かったので伝えておこうとおもう。実際に会話をしていたのは、連れのおっさんの方だったのだが、こんな会話をしていた。

マダムA「おいしいですねー」
マダムB「ほんと、おいしー」
おっさん「失礼ですが、お二人はお友達ですか?」
マダム達「そうですよー」
おっさん「結婚もされているんですか?」
マダム達「いや、まだしてないです(笑)」

おっさん「結婚してないみたいだよ(こそこそ)」
俺「ん?」
おっさん「君もそろそろ結婚する時期だろう?(こそこそ)」
俺「はぁー、でも」
俺「俺は一生、独身貴族です。結婚したら金がかかる。子供育てるのも金がかかる。離婚しても金がかかる。くだらんです。第一、モテない。」

その瞬間、丸テーブルの会話が一気に途切れた。あれほど笑って談笑していたマダム達も黙った。
すんごい嫌な沈黙。

俺「わ、わぁ。この料理冷めてるぅ。」



このあと、おっさんとスナックに行った。
地方歌手のミホさん(仮名)の歌を聴きながら飲む焼酎は最高!!